Book Review
OCTアンギオグラフィコアアトラス—ケースで学ぶ読影のポイント
大野 京子
1
1東京医科歯科大・眼科学
pp.1559
発行日 2018年11月15日
Published Date 2018/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410212955
- フリーアクセス
- 文献概要
- 1ページ目
今,眼底画像診断における最もホットなトピックは,紛れもなく,OCTアンギオグラフィである。つい先日までは,OCTアンギオグラフィは研究レベルの技術であり,臨床でのルチーンな応用には程遠いように思われていたが,昨今の撮影スピードや撮影範囲の改良,画質解像度の著しい向上などにより,蛍光眼底造影に代わる,もしくはかなりの分野では,蛍光眼底造影と異なる情報を得ることができ,造影検査を凌駕する診断機器となっている。しかも非侵襲である。これからもOCTアンギオグラフィが画像診断の最もホットなトピックであり続けることは間違いない。
このようなニーズを背景に,今回,満を持して出版されたのが,𠮷村長久先生(北野病院病院長)編集の本書『OCTアンギオグラフィコアアトラス』である。手に取って表紙を見ただけで,選び抜かれた表紙を飾る画像が美しく,画像診断に卓越したセンスを有する𠮷村先生ならではのこだわりを感じさせる。序で𠮷村先生自身が,OCTアンギオグラフィはまだ新しい診断機器であり,この時点でアトラスを出版することが良いか考えたが,名著『加齢黄斑変性 第2版』(医学書院,2016)を出されたときにOCTアンギオグラフィの所見を盛り込めなかったことが,本書を執筆された動機であると述べられている。なるほど,本書は単独で素晴らしい名著であるが,さらに『加齢黄斑変性 第2版』とともに読むと,𠮷村先生の一貫した画像に対する美学を痛感していただけるのではないかと思われる。
Copyright © 2018, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.