増刊号 7年前の常識は現在の非常識!—眼科診療の最新標準
4.網膜・硝子体疾患
Special Lecture
網膜血管内治療
門之園 一明
1
1横浜市立大学医学研究科医科学視覚再生外科学教室
pp.276-279
発行日 2018年10月30日
Published Date 2018/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410212920
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はじめに
血管内治療は,さまざまな分野で臨床応用されており,一般的な治療となって久しい。特に心臓血管外科,脳外科での進歩は目覚ましく,血管内視鏡の開発まで進んでいる。一方,眼科での血管内治療はいまだに実現していない。網膜には多くの血管閉塞疾患が存在するにもかかわらず,なぜ血管内治療の開発が進まないのであろうか? その理由は網膜血管の大きさによる。網膜内の血管の最大径は約100μmである。冠動脈のそれが2〜4mm程度であり,1/20以下の細い管を対象にすることになる。このため,網膜血管内治療は今までいくつかの臨床応用研究がされてきたものの,実現に至らなかった。筆者らは,10年前より血管内治療の開発を進めており,2017年よりようやく臨床応用が可能となり,良好な治療成績を収めることができるようになった1)。そこで,本稿では,網膜中心動脈閉塞症(central retinal artery occlusion:CRAO)に関する治療の概略を述べる。
*本論文中,動画マークのある箇所につきましては,関連する動画を見ることができます(公開期間:2023年10月)。
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