脳血管障害最前線 Time is brainの時代を迎えて
再発予防 血管内治療
早川 幹人
1
,
松丸 祐司
1国家公務員共済組合連合会虎の門病院 脳神経血管内治療科
キーワード:
病的狭窄
,
バルーン血管形成術
,
再発
,
ステント
,
脳虚血
,
脳動脈疾患
,
EBM
,
頸動脈狭窄
,
頸動脈内膜切除術
,
治療成績
Keyword:
Angioplasty, Balloon
,
Constriction, Pathologic
,
Brain Ischemia
,
Recurrence
,
Stents
,
Carotid Stenosis
,
Endarterectomy, Carotid
,
Treatment Outcome
,
Evidence-Based Medicine
,
Intracranial Arterial Diseases
pp.901-907
発行日 2008年5月1日
Published Date 2008/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2008196534
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虚血性脳血管障害再発予防としての脳血管内治療には、頸動脈狭窄症に対する頸動脈ステント留置術(carotid artery stenting:CAS)や、頭蓋内動脈狭窄に対する経皮的血管形成術・ステント留置術があげられる。頸動脈狭窄症に対する頸動脈内膜剥離術(carotid endarterectomy:CEA)の有効性は確立しており、CASはCEA高危険群に対してのみ、CEAとのあいだで非劣性が示されている。頭蓋内動脈狭窄は内科治療の再発予防効果が十分でないため、積極的な血行再建術に期待がかかるが、血管内治療の有効性のエビデンスは未確立である。現時点で、頸動脈狭窄症に対するCASの適応はCEA困難例に限られ、CEA通常危険群については、CEAが第一選択となる。頭蓋内動脈狭窄に対する血管内治療は、内科・脳神経外科治療(バイパス手術)と血管内治療の利点、欠点、治療成績を勘案した適応決定が重要となる。
©Nankodo Co., Ltd., 2008