今月の表紙
ガス白内障
廣田 亜沙都
1
,
昌原 英隆
1
,
稲谷 大
2
1東邦大学医療センター佐倉病院
2福井大学
pp.446
発行日 2018年4月15日
Published Date 2018/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410212640
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症例は41歳,男性。右眼にサッカーボールが当たり近医を受診し,右眼網膜裂孔に対して網膜光凝固が施行されたが網膜剝離を発症してきたため,当院へ紹介され受診した。初診時の右眼矯正視力は(1.2)であったが,右眼上耳側の原因裂孔以外に,その周囲のレーザー瘢痕が裂孔となり,多発裂孔を呈していたため硝子体手術を選択した。LASIK既往眼であり年齢も考慮して水晶体は温存することとした。手術は,硝子体切除後に裂孔周辺に網膜光凝固を追加し,20%SF6ガスタンポナーデで終了し,術後体位は伏臥位とした。術翌々日,強いガス白内障を認め,以後ガス白内障はSF6ガスの減少とにとも徐々に消失していった。
撮影は,TOPCON社製スリットランプSL-D7を使用した。今回の撮影は術翌々日に行ったもので,上方の写真は拡散照明法で撮影した。下方の写真は,徹照法で撮影したが,強いガス白内障の影響か,眼底からの反帰光が最も明るいところを捉えられているかどうわからず苦労した。また,露出過度に注意しながら光量の調整をした。ガス白内障がステンドグラスのように神秘的に感じられ,記憶に残る症例となった。
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