連載 この人に聞きたい!・2
緑内障,白内障
岩瀬 愛子
1
1たじみ岩瀬眼科
pp.397-400
発行日 2013年5月15日
Published Date 2013/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401102738
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はじめに
緑内障は視野狭窄をきたす疾患であり進行すると失明にも至る不可逆的な疾患である.いかに早期発見し早期管理・治療するかが重要である.一方,白内障は水晶体が混濁することにより視力低下などの症状は出るが手術によって視機能の回復を図ることができる疾患であるので重要な点は早期発見や早期治療ではなく,いつ手術をするかという点にある.
高齢者に多い代表的なこの二大眼科疾患の現状を述べる.
厚生労働省の研究班の報告では,中途失明による視覚障害者手帳申請の原因疾患の首位は緑内障(図1)1)である.この統計は手帳を申請した方だけの統計であるが,日本緑内障学会多治見疫学調査(多治見スタディ)におけるLow Vision統計においても,手術可能な白内障を除けば,近視性黄斑部変性症と緑内障が上位疾患であった(図2)2).
「多治見スタディ」は,母集団50,000人超からrandom samplingで選んだ対象者の3,870人のうち3,021人(78.1%)の調査参加者を得た緑内障有病率調査であったが,有病率の他にも種々のことがわかった.
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