今月の表紙
ガス白内障
山本 素士
1
,
寺崎 浩子
2
1京都大学大学院医学研究科眼科学
2名古屋大学眼科学
pp.1577
発行日 2009年10月15日
Published Date 2009/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410102884
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43歳女性。2か月前から左眼変視症を自覚し当科を受診した。初診時視力は右(1.2×-11.75D),左0.02(0.3×-10.50D()cyl-0.50D 110°)の高度近視で,中間透光体に異常を認めなかった。眼軸長は右27.86mm,左28.10mmであった。眼底は左眼に黄斑円孔を認め23ゲージシステムで経結膜硝子体手術を施行,若年齢で高度近視のため白内障手術は施行しなかった。硝子体切除の後インドシアニングリーンを用いて内境界膜を剝離し,25%SF6ガスで全置換を行った。水晶体と硝子体カッターの接触など術中合併症はなかった。術後1日目に,写真に示すように後囊に魚鱗状のガス白内障を認めたが,翌日から漸減し9日目にガス白内障は消失していた。術後黄斑円孔は閉鎖し,術後1か月の視力は左(0.4)であった。
撮影には術後2日目にTOPCON社SL-D7,Nikon社D300を用いた。設定は,倍率16倍,スリット長10mm,幅5mm,背景照明なし,仰角0°,光軸はシフトしていない。通常の徹照法では撮影が困難であり,スリット光を瞳孔中央に投影することによって左半視野と右半視野で陽と陰の徹照像を得る工夫を試みた。同じ病変における撮影法による違いを1枚の写真に収めている。
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