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あとがき
中澤 満
pp.440
発行日 2018年3月15日
Published Date 2018/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410212637
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「臨床眼科」3月号では,昨年の第71回日本臨床眼科学会総会での特別講演,兵庫医科大学神経眼科治療学講座の三村治特任教授による「神経眼科疾患治療の最近の進歩」の総説論文を掲載しています。三村先生も論文の中で述べられておられますが,神経眼科というと主として診断学であって,治療の対象となることは少ない,という先入観をもっている眼科医が多いのに対して,三村先生は教室の伝統である神経眼科疾患の治療の開発・改良を追求する,というビジョンを掲げて臨床研究を推進されてこられました。その集大成が今回の論文に纏められています。その成果はレーベル病に対するイデベノン内服療法,眼筋型重症筋無力症に対するタクロリムス内服併用,眼筋麻痺による複視に対する手術療法,ボツリヌス毒素の眼瞼痙攣や麻痺性斜視の手術への応用などに表されております。いずれも患者のQOLの改善に大きく貢献しうる研究で,実際の講演もそうでしたが,感銘を覚える内容となっています。編集子にとっては保存版となる論文です。
「症例から学ぶ 白内障手術の実践レクチャー」では,白内障手術術前検査の実践編として,眼軸長計測法における光学式と超音波Aモード方式という2つの計測法に関して須藤史子先生にレクチャーしていただきました。両者の原理をよく理解したうえで補完的に用いられれば,盤石というものでしょう。ともすれば手術術式のほうに興味が行きがちですが,その前に当然知っておくべき基本中の基本であると感じました。
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