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あとがき
中澤 満
pp.1382
発行日 2014年9月15日
Published Date 2014/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410105400
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夏も終わり,いつしか暦の上では秋となりました。秋は勉学のシーズン,学会シーズンでもあります。特筆すべきことに『臨床眼科』では今月から新しい連載がスタートします。柿﨑裕彦先生の編集による「目指せ!眼の形成外科エキスパート」です。しかも嬉しいことに,この連載は今月から2年半という長期にわたり掲載されます。これまで眼球付属器の疾患にはあまりなじみのなかった方や,ちょうど眼形成外科に興味を持ち始めた若い眼科医の皆さん,そしてもちろんベテランの先生にも時宜を捉えた格好の読み物となるでしょう。昨年には日本眼形成再建外科学会も発足しましたし,これからは日本の眼科のなかでもひとつの重要なサブスペシャル領域として眼形成外科が発展するためのお役にも立つことでしょう。
「今月の話題」は竹内大先生による「感染性ぶどう膜炎の診断:分子生物学の進歩」です。本邦におけるぶどう膜炎の原因疾患で長年続いた不動のビッグ3,サルコイドーシス,原田病,Behçet病の順位が崩れ,2009年の集計ではサルコイドーシス,原田病に続いて急性前部ぶどう膜炎が第3位となったことは記憶に新しいところですが,これまで原因不明とされてきたぶどう膜炎のなかに眼圧上昇を伴う病型にはサイトメガロウイルス感染症がかなりの数でみられることが述べられています。しかも最近のmultiplex PCRを用いた新しい眼内液の診断法により,診断率が飛躍的に上がるという知見です。原因が明らかになれば治療法の幅が広がるのは医学の定石ですので,これも大いに役立つ情報です。
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