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あとがき
中澤 満
pp.1602
発行日 2013年9月15日
Published Date 2013/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410104923
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猛暑の夏も終わり,勉学の秋となろうかというところですが皆様いかがお過ごしでしょうか。臨床眼科9月号も盛り沢山の内容となりました。「今月の話題」では「新しい血管新生治療薬」というタイトルで村上祐介氏らに執筆頂きました。最近の眼科学の概念を大きく変えたものの1つにVEGFの発見とそれを標的とした新しい治療法の開発があることには異論はないでしょう。増殖性眼病変と黄斑浮腫の病態にいかに大きくVEGFが関与しているかは皆様よくご存じの通りです。抗VEGF療法として数種の高分子治療薬が臨床応用されていますが,点眼可能な抗VEGF薬(パゾパニブ)やPEDF遺伝子治療などはさらに将来の眼科を変えることを予感させます。硝子体注射も不要になる時代の到来も楽しみです。
連載も甲状腺関連が2編です。木村亜紀子氏には甲状腺眼症に伴う斜視手術,若倉雅登氏にはeuthyroid ophthalmopathyの話題も執筆頂きました。いずれも眼科医の力量が試される分野の話となっています。特に一見不定愁訴と思われる症状の中にも治療可能な甲状腺眼症が紛れている事実は見逃すことはできないでしょう。
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