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あとがき
鈴木 康之
pp.970
発行日 2017年6月15日
Published Date 2017/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410212316
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第121回日本眼科学会が桜満開のなか,大盛況のうちに終了しました。特別講演,評議員会指名講演をはじめとして,力の入ったプログラムが盛りだくさんで大変勉強になるとともに多くの刺激を頂くことができました。その後も国内外のさまざまな学会が続いていますが,やはり春の日本眼科学会と秋の日本臨床眼科学会は特別であることを再確認いたしました。
今号の「臨床眼科」は先日行われた第70回日本臨床眼科学会講演集の第4弾で,多くの原著論文が掲載されているとともに久留米大学教授の山川良治先生が発表された特別講演「眼科手術のリスクマネジメント」の内容を読むことができます。手術というのは個々の症例におけるバリエーションが多く,なかなかしっかりしたエビデンスが得られにくい分野であり,さらに周術期の合併症や,その対策などを検討するためには,詳細なデータを取ることが必要になります。そのため,しっかりした手術記録はもちろんのこと,手術前後の患者の全身状態や様子を記録し,術中のモニター記録などを含めた膨大なデータを解析しなければなりません。つい,術者は手術がうまくいけばそれでよいと満足してしまいがちではありますが,その時,その時の対応だけではなく,将来の手術環境の改善に向けたデータや工夫の積み重ねが大事であることが強く印象づけられた講演でした。その他の原著論文と合わせ,是非参考になさってください。
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