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新型コロナウイルスで世の中は一変してしまいました。多くの方々が感染し,また亡くなっています。町の店はほとんどが閉まり,観光地が閉鎖され,近所の公園ですら駐車場が閉鎖されています。保育園から大学院までたくさんの学校がお休みになり,われわれもZoomとTeamsの使い方は覚えたものの,とても状況に十分に対応しているとは言い難い状況です。もちろん病院には次々と感染された患者さんがやってきます。
そして,われわれ眼科医にとって何よりも衝撃的であったのは,第124回日本眼科学会総会がWeb開催になってしまったことです。本来,多くの研究者,眼科医が集まり熱いdiscussionが繰り広げられたであろう総会がWeb開催になってしまったことは残念でなりません。ところが一方で学会長の後藤先生をはじめ関係者の大いなる努力の賜物と思いますが,Web開催となった日本眼科学会総会の内容が想像以上にと言っては失礼ですが,大変充実したものになっていることに驚きを隠せないのも事実です。特別講演,招待講演,評議員指名講演をはじめとしてシンポジウム,教育セミナー,サブスペシャリティーサンデーなどの非常に鮮明なスライドを自分の時間が空いているに自由に拝見でき,さらに音声付きの講演を実際に会場にいるがごとく拝聴できるというのは感動すら覚える体験でした。通常なら1つしか選べない同時進行の講演も自分の時間が許す限り見ることができるというのは本当に有難いことです。もちろん,実際に研究者が一堂に会して情報交換するということに大変な意義があることに異論はないものの,今回の非常事態をきっかけとして学会運営にも大きな変化があるのではないかということを予想させる出来事でした。秋の日本臨床眼科学会がどのように開催されるかはまだ流動的ですが,関係者皆さんのご努力で,きっとよりupgradeされた学会になるのではないかと期待させてくれる今回の日眼Web開催だったと思います。これからもみんなで力を合わせ,前を向いて進んでいきましょう。
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