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「臨床眼科」6月号は,引き続き第76回日本臨床眼科学会での発表講演の原著特集となっています。昨今の人手不足や働き方改革で,日常診療に忙殺されることも多いと思いますが,一例一例しっかりと診療し,記録・発表していくことで発表者本人の知識だけでなく日本の眼科全体の知識が蓄積,再構築されていくと思います。最近では倫理的な面や利益相反などもますます重視されるようになってきています。それらのことも含めどうぞよろしくお願いします。
さて,講演集に加え今月号は定期連載の内容も充実しています。特に今回個人的に勉強になったのが野中先生の「今月の話題」で,恥ずかしながら昨年初めて眼鏡作成技能士の技能検定試験が行われていたことを知りました。合格率は1級が4.6%,2級が29.4%とかなり低いもので,高度な問題が出題されたことが想像されます。この資格は現状では単に名称を標榜できるだけのもので,眼科専門医の資格と似ていなくもないですが,どちらも今後は徐々に重要になってくる可能性があります。またこの技能検定の創設に関し日本眼科医会が「眼科専門医との連携」を盛り込み,矯正視力不良例や初めての眼鏡処方例の眼科紹介や医療行為の禁止などをしっかりと盛り込まれたとのことで,お忙しいなかでの眼科医会の先生方の積極的なご活動に感謝いたします。この眼鏡作成技能士は職業能力開発促進法に基づく国家検定制度とのことですが,なんと現在このような検定試験は131職種もあるとのことで,こちらにも驚きました。毎年,131職種の試験を作成,施行,採点,合否判定を行っていくというのは受ける方も施行する方も大変な労力で,世の中の皆さんはたくさん勉強されているのだなあと感心いたしました。眼科医も負けずに日々勉強ですね。
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