特集 眼疾患の一次予防と二次予防—眼疾患はどこまで予防可能か?
企画にあたって
川崎 良
1
1山形大学大学院医学系研究科・公衆衛生学講座
pp.11
発行日 2017年1月15日
Published Date 2017/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410212124
- フリーアクセス
- 文献概要
- 1ページ目
わが国の総人口は2015年10月現在,1億2711万人である。このうち,65歳以上の高齢者がどのくらいを占めているかご存じであろうか? その数,実に3392万人,すなわち,65歳以上の人口の割合(高齢化率)は26.7%となり,実に4人に1人が65歳を超えている現状がある。さらに,現状からの推計では,2060年には平均寿命が男性で84年,女性ではなんと90年を超え,少子化に伴って人口減少局面にあることと相まって,高齢化率は40%をも超えるであろうと予想されている。わが国の成人の後天性視覚障害の原因疾患の多くは加齢に伴って増加する眼疾患であり,今後ますますこれらの加齢性の眼疾患の診療の重要性は増すであろう。
その一方で,加齢性の眼疾患については,多くの場合は,早期発見が可能である。現在,わが国においては公的な眼検診は行われていないが,もし適切なスクリーニングを行って早期発見し,その後に効果的な予防法を提供することができれば,重症化予防や視覚障害の予防が可能となる。今回の特集では,代表的な加齢性の眼疾患,成人の後天性視覚障害の原因疾患について効果的な予防法があるのかを各分野を代表する諸先生方に概説していただいた。
Copyright © 2017, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.