Japanese
English
連載 蛍光眼底造影クリニカルカンファレンス・第2回
網膜静脈分枝閉塞症 陳旧期
Branch Retinal Vein Occlusion:chronic phase
長谷川 泰司
1
,
飯田 知弘
1
Taiji Hasegawa
1
1東京女子医科大学眼科学教室
pp.200-206
発行日 2016年2月15日
Published Date 2016/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410211702
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
疾患の概要
網膜静脈分枝閉塞症(branch retinal vein occlusion:BRVO)は網膜動静脈交叉部での動脈による静脈圧排によって乱流が生じ,血栓が生じることで網膜静脈の分枝が閉塞すると考えられている。高血圧,動脈硬化などの生活習慣病患者に多くみられる1)。
急性期では,網膜神経線維層にみられる網膜表層出血など特徴的な所見がみられ診断は比較的容易であるが,出血が吸収された状態で初めて受診した場合には,診断を確定するためにフルオレセイン蛍光眼底造影検査(fluorescein angiography:FA)が非常に重要である。静脈閉塞が持続すると閉塞静脈の白線化,閉塞部位と非閉塞部位を結ぶ側副血行路の発達,毛細血管拡張や毛細血管瘤,無灌流領域(nonperfusion area:NPA)の形成などの変化が生じる。FAでは上記の血管変化を明瞭に捉えることができる。
Copyright © 2016, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.