今月の表紙
Pit黄斑症候群による網膜分離
久保田 大紀
1
,
後町 清子
1
,
亀谷 修平
1
,
鈴木 康之
2
1日本医科大学千葉北総病院眼科
2東海大学
pp.1720
発行日 2015年12月15日
Published Date 2015/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410211642
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症例は65歳,男性。もともと両緑内障に対し近医で定期経過観察されていたが,徐々に右視力低下を自覚し,pit黄斑症候群が疑われ当科を紹介受診した。初診時視力は右(0.8),左(1.0),眼圧は眼圧下降点眼薬にて右9mmHg,左8mmHgであった。前眼部,中間透光体に異常はなく,右眼底に黄斑浮腫および視神経乳頭陥凹を認めたが,明らかな乳頭小窩はなかった。左眼底は視神経乳頭陥凹を認めた。光干渉断層計(optical coherence tomography:OCT)にて,中心窩から視神経乳頭部にかけて連続した網膜分離を認め,pit黄斑症候群と診断した。その後,網膜分離は増悪していない。
撮影には高深達OCTであるDRI OCT-1 Atlantis(Topcon社)と補償光学(adaptive optics:AO)眼底カメラrtx1TM(Imagine eyes社)を使用した。OCTのスライス軸は180°,スライス幅は12mmとし,連続した網膜分離が観察できるように,目盛り付き固視表を患者に追視させながら撮影した。AOでは撮影部位を網膜内層に調節し,中心窩を中心とした放射状の網膜分離を観察した。ともに網膜分離が空間的に把握できるよう留意しながら撮影した。
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