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I.緒言
ブラストサイジン—Sは東大農学部農芸化学科抗生物質研究班及び東大応用微生物研究所と農林省農業技術研究所農薬科との共同研究により,昭和33年Streptomyces GriseochromogenesFukunagaより抽出された抗かび・細菌性の新抗生物質である。特に稲のいもち病に対しすぐれた治療効果のある事が確認され,実用化された農業用抗生物質としては我国で発見された最初のものと云われている。昭和36年度より従来広く使用されていた有機水銀の予防効果を期待するため,ブラストサイジン—Sに醋酸フエニール水銀を加えた混合剤であるブラエス—Mが,いもち病の防除薬剤として実用化,市販されるに至り,いもち病の予防並びに治療に画期的な効果をおさめていると云われている。一方本剤による眼障害に関しては,昭和35年度に製造工場の従業員にみられた報告を始めとして,諸氏により臨床並びに実験報告がなされているが,しかし本剤の生体に対する作用機序は尚不明で,治療に関しては現在の所,対症療法の域を出ていない。又予防としては本剤の眼内飛入を避ける事が先づ第一であり,その為には防塵グラスや保護眼鏡の使用がすすめられており,万一飛入した場合は早期洗眼の有効性が強調されている。
An outdoors experiment was done for pre-vention of the ocular lesion by scattering operation of Blaes-M powder which is a known irritative medicine on mucous membrane.
The results, indicated that in order to pre-vent the ocular lesion by scattering, wearing protective eye glasses and sufficient eye wa-shing immediately after the scattering opera-tion are necessary. Moreover duration of scat-tering operation should be limited within 30 minutes.
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