Ⅱ原著
全身彈力繊維の變性を基調とする系統的疾患Groenblad-Strandbergの眼症状について
池田 一三
1
,
田上 滿年
1
,
野木 道雄
1
1阪大眼科
pp.58-63
発行日 1948年5月20日
Published Date 1948/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410211086
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I.緒言
網膜色素線條(P.S.)と皮膚の彈力繊維性假性黄色腫(P.X.E.)とをGroenblad, Marchesani等に從つて一つの系統的疾患として理解することは諌山氏1)の先に説破せる所であるが,これら2疾患の相互關係の未だ明かでなかつたG,M.以前の時代はさておき,その後において眼底にP.S.を認めながら皮膚の變状を證明しない症例が存在し,又他方皮膚にP.X.E.を認めつつ眼底に何等變化なきか,少くもP.S.を證明せざる症例の存在が確認せられ,人をして一見G.,M.等の學説との矛盾を感ぜしめたのであるが,第1の場合については最近諫山氏の精緻なる論證によりかの學説の却つて擁護,發展せしめらるるを見た。
私共は最近同様の1例に遭遇するをえたのを幸に,先に經驗せる特異なる眼底症状を示せるP.X.E.患者の2症例と合せて,1つの系統的疾患としてP.X.E.,P.S.及びその他の眼底變状について些か考案を回らしたので次にその概略を述べて見たいと思う。
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