特集 眼科外来診療マニュアル—私はこうしている
外来における診断のポイント—私はこうしている
主訴からみた疾患
視力低下—片眼または両眼の緩徐な視力低下
下村 嘉一
1
Yoshikazu Shimomura
1
1大阪労災病院眼科
pp.1449-1451
発行日 1989年9月30日
Published Date 1989/9/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410210960
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片眼または両眼の緩徐な視力低下を訴える場合,その障害部位は多岐にわたり,透光系・屈折(調節)系・感光系・伝達系・認知系といった5系の内のいずれかに存在する。それゆえ検査の方法は矯正視力検査から始まり,診断が確定しない場合CTやMRなどの特殊検査まで必要となる。ただ,不必要な検査を患者に施行することは当然避けるべきで,症状から判断して,最適の検査方法を順次選択することが肝要である。
なお,両眼性の疾患で発症時期の異なることをよく経験するので,たとえ片眼の緩徐な視力低下を訴えて来院しても,両眼性疾患の可能性を常に念頭に置く必要がある。
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