Letter to editor
「網膜色素変性症の遺伝子診断」について
飯島 裕幸
1
1山梨医科大眼科
pp.1363
発行日 1989年9月15日
Published Date 1989/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410210942
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貴誌43巻4号掲載の三国郁夫・他論文"網膜色素変性症の遺伝子診断"について,意見を述べさせていただきます。これは遺伝病である網膜色素変性症患者について,採血にて得られるDNAを用いて,遺伝子レベルで診断しようという新しい試みに関するもので,国外ではすでにいくつかの報告がなされています。
遺伝子診断については大きく分けて①病的遺伝子そのものを検出する直接診断と②RFLPを用いる間接診断の二つがあります。①は原因遺伝子が既知の場合はじめて適応できるもので,家系に関係なく診断が可能となります。②は疾病の原因遺伝子とは関係のないDNA多型に基づく,DNA断片長の違いを遺伝マーカーとして使う方法であって,与えられた家系内で病的遺伝子とマーカーとなるRFLPパターンの関係が明かな場合にのみ適応できる方法です。
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