論文論
パラグラフ/孫引き
Bonin
pp.1364
発行日 1989年9月15日
Published Date 1989/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410210943
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一般論として,英語の文章は,日本語よりもずっと読みにくい性質があるのではと思っています。もちろん,語学力の問題ではなく,書かれた言語そのものに内在する性格のことです。
「読む」言葉として日本語が便利なのは,漢字と「かな」とが適当に混在しているので,いわば漢字がキーワードのような役目を果しています。このために,ページをざっと眺めるだけで,「何が主要な話題か」がすぐわかることになります。これに対して,英語の場合だと,アルファベット26文字だけで表現しなければならず,表意文字としてよりも,表音文字の性質が強いために,「一目で大意をつかむ」ことが難しいのです。これがロシア語になると,hとかgみたいに上下に出る文字が少ないため,困難さが一層大きくなります。
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