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特集 第42回日本臨床眼科学会講演集(6)1988年9月 東京
学術展示
眼窩海綿状血管腫の3例
Cavernous hemangioma of the orbit
秋田 信宏
1
,
佐賀 徳博
1
,
田川 義継
1
Nobuhiro Akita
1
,
Tokuhiro Saga
1
,
Yoshitsugu Tagawa
1
1北海道大学医学部眼科学教室
pp.1120-1121
発行日 1989年7月15日
Published Date 1989/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410210886
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- Abstract 文献概要
緒言 眼窩海綿状血管腫は成人にみられる良性腫瘍であるが報告は少ない。今回,我々は病理組織所見により本症の診断を得た3例を経験したので,その臨床像および組織所見につき報告する。
症例 1.臨床所見:女3例,宅訴は眼球突出2例,腫瘤触知1例であった。眼球突出をきたした2例は初診時視力低下,及び視野検査でマリオット盲点の拡大・イソプターの沈下を認めた。眼球運動は1例で全方向に,1例で上転・内転・外転の制限を認めた。眼底では,2例で視神経乳頭の発赤,網膜静脈の拡張・蛇行,脈絡膜皺襞を認めた。他の1例は腫瘤触知のみで他の所見は認めなかった。CTでは,1例は筋円錐内に,1例は筋円錐内外に,1例は筋円錐外に境界明瞭な異常高吸収域を認めた。全例,眼窩腫瘍の診断で,観血的手術を施行した。1例は経結膜的に,1例はクレイラインにより,1例は経皮的に腫瘍を摘出した。全例,被膜を有し2例では全摘可能であった。1例は可及的全摘であって。手術後全例で,眼症状及び理学的所見の改善を見た。以上をまとめて表1及び図1,2にしめす。
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