Japanese
English
特集 第42回日本臨床眼科学会講演集(6)1988年9月 東京
学術展示
小児の眼窩髄膜腫の1例
Orbital meningioma in a child
三井 健正
1
,
井上 克洋
1
,
湯田 兼次
1
,
河野 宗浩
1
,
藤津 和彦
2
Takemasa Mitsui
1
,
Katsuhiro Inoue
1
,
Kenji Yuda
1
,
Munehiro Kawano
1
,
Kazuhiko Fujitsu
2
1横浜市立大学医学部眼科
2横浜市立大学脳外科
pp.1122-1123
発行日 1989年7月15日
Published Date 1989/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410210887
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
緒言 小児眼窩髄膜腫はまれな疾患で予後不良と考えられている。根治手術を試みた眼窩原発extradural typeの小児眼窩髄膜腫を経験した。病理組織診断は,fibroblastic meningiomaであった。
症例 患者は9歳女性で,1987年夏より右視力低下を自覚。顔を右に向けて物を見ることに気付かれ,1988年1月に当科を受診した。既往歴,家族歴には特記すべきことはない。眼科所見は右視力光覚,左視力1.2(n. c)。眼位は右外斜視だが,眼球運動制限はなかった。眼球突出度は右13mm,左11mm (Base 84.5mm)。右視神経乳頭耳側は蒼白で右Marcus Gunn瞳孔を認めた。眼圧,前眼部,中間透光体等異常はなかった。右視野は耳側周辺部に残存するのみで,左視野は正常であった(図1)。視束管撮影にて,右視束管の著明な拡大を認めた。hyperostosisの所見は認められなかった(図2)。頭部CTスキャンでは,トルコ鞍右側に造影効果のある腫瘤を認め(図3),腫瘤は視神経にそってintracanalicular segmentよりoptic foramenをへて,intracranial segmentにおよんでいた(図4)。脳血管造影では,右眼動脈起始部の挙上を認めたが,tumor stainingの所見はなかった。血液ホルモン検査では,下垂体機能の異常は認められなかった。神経線維腫症の合併は認められなかった。
Copyright © 1989, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.