臨時増刊特集 臨床医のためのCTスキャン
肝臓(上腹部の正常解剖を含めて)
海綿状血管腫
pp.2180-2181
発行日 1981年11月20日
Published Date 1981/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402217479
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症例1 海綿状血管腫(図16)
A.造影前,B.bolus injection 10秒後,C.20秒後(別のシリーズで,造影剤を追加注入している),D.80秒後,E.200秒後
造影前,肝中央の弧状の石灰化がまず目につく.右葉背方には大きな不整形の一様な低濃度影が見られる.B〜Eで周囲が濃染し,次第に低濃度部の面積が減じていく.大まかな時間的関係は大動脈,下大静脈,肝の濃度を比べるとわかる.肝癌と血管腫は通常の造影法でも多くはCT上判定可能である.つまり造影後肝実質より絶対的に高濃度部があれば血管腫といってほぼ正しい.稀に肝癌にもこのような所見を見るが,その際は本例のごとき経時的変化を追えばよい.
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