画像診断と病理
子宮血管腫(海綿状血管腫)
角 明子
1
,
内田 政史
2
,
牛嶋 公生
3
,
真田 咲子
4
1久留米大学医学部放射線医学講座
2久留米大学医療センター放射線科
3久留米大学医学部産婦人科学講座
4久留米大学医学部病理学講座
pp.4-5
発行日 2020年12月25日
Published Date 2020/12/25
DOI https://doi.org/10.15105/GZ.0000002039
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60歳台,女性.便潜血陽性と貧血のため近医で腹部超音波検査を施行し,骨盤内腫瘍を認めたため精査目的に紹介となった.約25年前,第3子分娩時に子宮筋腫を指摘されており,約1年前より増大傾向を自覚していた.また,数年前より不正性器出血を認めていたが放置していた.内診所見では,子宮体部は小児頭大に腫大し,可動性は不良であった.造影CTでは,腫大した子宮体部に内部不均一な造影効果を有する腫瘤を認め,内部は淡い高〜低吸収を示し,出血・壊死を疑った.また,点状の小石灰化を認めた.MRIのT1強調像で腫瘤辺縁は低信号,内部は不均一な淡い高信号を示し,T2強調像では低〜高信号の不均一な信号で,網目状の低信号域を認めた.造影T1強調像では,辺縁のみ不整な造影効果を認めた.明らかな拡散制限はみられなかったが,画像所見から悪性の子宮間葉系腫瘍が否定できず,子宮全摘術を施行した.
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