文庫の窓から
眼科学
中泉 行信
,
中泉 行史
,
斎藤 仁男
1
1研医会
pp.98-99
発行日 1989年1月15日
Published Date 1989/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410210597
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東京医学校は明治10年(1877)4月,開成学校と合して東京大学医学部と改名されたが,これより先,東京医学校においては,明治8年(1875)5月,本科生の外に,医師速成の目的で,通学生教場が設けられた。ここでは邦語で速成教授が行われ,修業年限は4年であった。この学生は本科生が全寮制であるところから医学通学生と呼ばれたが,明治13年(1880)10月に別課医学生と改められた。別課生は明治12年(1879)5月の第1回卒業生より同22年(1889)6月の第20回卒業生まで1,100餘名の卒業生を数えたといわれる。
本書はこの頃の成立で,その例言に『東京大学医学部別課医学生教場において生徒筆記の労を省き其記憶し易からんが為今回印刷に附せり云々』とあるように,医学別課生用に纂訳されたものと解される。その第1版は明治14年(1881)10月,訳者蔵版,島村利助書店より刊行された。
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