文庫の窓から
眼科撰要
中泉 行信
1
,
中泉 行史
1
,
斎藤 仁男
1
1研医会
pp.876-877
発行日 1987年7月15日
Published Date 1987/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410210126
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西洋眼科輸入後の日本の眼科は従来の漢方から蘭方へ次第に移行していったが,その漢方眼科を諦めきれず,漢方眼科に蘭方眼科を採り入れるもの,あるいは蘭方眼科に漢方眼科を補うもの,また,その折衷眼科流を行うものもでて,眼科書においてもそうした傾向のものが著わされるようになった.「眼科撰要」はこうした時代に樋口子星によって著わされた.
筆者の手許にある「眼科撰要」によれば,その末尾に"伊賀国明々堂蔵文政九戊歳五月刻成"と識されているが,大槻茂槙の序,北越,神保恭の跋は文政5年(1822),南紀の竹中温の序や樋口子星の自序は,文政6年(1823)となっており,序跋が書かれてから3,4年して本書は刊行されたことになる(文政9年刊).
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