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眼と腸の慢性炎症性疾患/米国の"不全型"停止性夜盲の一家系
原田 敬志
1
1名大
pp.68
発行日 1989年1月15日
Published Date 1989/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410210590
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クローン病と潰瘍性大腸炎における眼症状やその免疫異常を3例の自験例をもとに論じているが,文献が60篇にのぼる総説ともなっていて大体の趨勢を把握することができる。クローン病の2例のうち1例では最初の発作で右眼のぶどう膜炎と乳頭炎が起こり,1年後には両眼に同様の発作がみられた。他の1例は上強膜炎をしばしばくり返し,両側性のぶどう膜炎と硝子体炎,角膜辺縁部潰瘍をきたした。残る1例はしばしば両側性となる前眼部ぶどう膜炎を示した。病変の経過として,消化器症状から数ヵ月〜数年して眼症状が現われるのが多い。消化管障害の規模や活動性に応じて眼症状が発生する。最初の眼症状の発現と消化器症状の間の依存は明らかでないことが多いが,2度目からは因果関係のはっきりすることが普通である。将来,虹彩切除術あるいは線維柱体切除術の際に免疫複合体を検出することが可能になるであろうと結んでいる。
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