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隅角・緑内障,他
木村 良造
1
1東北公済病院
pp.50-51
発行日 1988年1月15日
Published Date 1988/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410210246
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Cotter PB Jr : Scintillating scotomas relieved with topical timolol. Am J Ophthalmol 104 : 432, 1987
チモロール点眼による全身的な好ましくない副作用については良く知られているが,有益な副作用を最近経験した.高血圧と動脈硬化性心疾患として,ワーファリン,ジゴキシンおよびメチルドーパの投与をうけている79歳の女性患者が眼科の一般検査のため受診し,両眼28mmHgの高眼圧と視神経乳頭の左右差を見出された.隅角は開放しており,他の眼科的異常所見は認められなかった.そこで0.25%チモロールの点眼を1日2回開始継続した.8ヶ月後の検査で以下の事実が判明した.すなわち,本例はチモロール点眼治療を開始するまでは,ほぼ1カ月に1回の割合で閃輝性暗点の発作に見舞われていたが,今回の0.25%チモロール点眼開始以降この閃輝性暗点の発作がずっと消失している.その後も引続き閃輝性暗点の発作を経験しないまま0.25%チモロール点眼開始以来1年以上経験している.ベータ遮断剤であるプロプラノロールが経口的に偏頭痛の予防に使用されることがあるが,本例の場合はチモロールの点眼が有効であったものである.
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