Japanese
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眼球の露出部における曝光原性変性と考えられている種々の病変の頻度について緯度35°の京都における189人の日本人(モンゴル人種)を対象に調査した。そしてその結果を著者自身が同じ検査方法を用いて紅海近辺のコルダン(アラブ人,127人),グリーンランド(エスキモー,659人)とデンマーク(白人810人)において調査した結果と比較した。
今回調査した日本人のうち31%に結膜の球状変性(spheroid degeneration)が認められ,60%に瞼裂斑が認められた。この比率は日照時間の長いヨルダンよりは少ないがグリーンランドやデンマークよりは高かった。気候性角膜症(clirnatokeratopathy)はグリーンランドより低い頻度で認められた。このことは日本において曝光性の結膜変性の出現頻度が高いにもかかわらず曝光性の角膜変性をおこす危険性が少ないことを意味する。翼状片はわずか1%という驚くべき低い頻度にしか認められなかった。このことは翼状片が結膜の変性とは無関係であることを意味している。
The prevalences of various possibly sunlight-induced degenerations of the exposed section of the eye have been studied in a series of 189 Japanese (Orientals) in Kyoto (subtropical climate, 35°n. lat.). The results were compared with those of the author's examinations, using the same method and apparatus, in Jordan near the Red Sea (Arabs, N=127) in Greenland (Eskimos, N=659), and in Den-mark (Caucasians, N=810).
In the Japanese series conjunctival spheroid degeneration was noticed in 31% and pinguecula in 60%, i.e. less frequently than in the sunny Jordan, but more frequently than in Greenland and Den-mark.
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