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春季カタル患者の涙液IgEは,その増悪期には高値を示すことが明らかにされているが,同様の重症度を示す患者間にもかなりの涙液IgE 値の相違がみとめられる。このような現象を説明するために同一患者の涙液を希釈法により反復採取し,涙液IgE量の推移をみることにより,結膜におけるIgE産生の実態を把握しようと試みた。また血清と涙液でIgEとalbuminを同時に測定することにより,涙液IgEの由来すなわら局所産生によるものと炎症による血管外漏出によるものとの比率を検討した。IgEはPRIST法,albuminはsingle radial immunodiffusion法によって測定した。
その結果,同一例においては角膜症状の消長と涙液IgEの増減はよく一致していた。また輪部型のような春季カタルでも軽症例に属するものでは,涙液IgE 値は他の型と比較して低値であった。さらに結膜アレルギー患者10例中8例で,結膜局所でのIgE産生をみとめたが,涙液IgEの局所産生と血管外漏出によるものの比率は症例により非常に差異が大きいことが明らかになった。
Tear IgE in allergic conjunctival disorders was previously shown to fluctuate in relation with their ocular symptoms. But IgE content in the tear was markedly different between the cases with the similar severity. For the purpose of clarifing the regulating mechanism of tear IgE, the tear fluid was continuously obtained in the course of the disease and tear IgE was measured with a paper radioimmunosorbent test (PRIST) in several cases of vernal conjunctivitis.
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