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特集 第36回日本臨床眼科学会講演集 (その4)
学術展示
乳頭血管炎・絶対緑内障を呈した眼内悪性リンパ腫の1例
Uveitis and absolute glaucoma associated with intraocular malignant lymphoma
大木 孝太郎
1
,
蒲山 俊夫
1
,
畠山 信
2
,
鈴木 光
2
Kohtaroh Ohki
1
,
Toshio Kabayama
1
,
Makoto Hatakeyama
2
,
Mitsuru Suzuki
2
1総合市立富士中央病院
2東京慈恵会医科大学
pp.518-519
発行日 1983年4月15日
Published Date 1983/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410208880
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- Abstract 文献概要
緒言眼球内に悪性リンパ腫が発生することは極めて稀である。今回我々は乳頭血管炎様症状にて初発し,絶対緑内障に陥り,眼球摘出の結果,眼内悪性リンパ腫と診断された1例を経験した。
症例症例は64歳女性,家族歴・既往歴に特記すべきことなく,飛蚊症・視力低下のために近医を受診したところ,うっ血乳頭を指摘され当院を紹介された。初診時の視力・眼圧は表1,眼底所見,螢光眼底所見は図1・図2に示す。視神経乳頭の浮腫,静脈の著明な拡張が認められ,視神経乳頭のhyperfluoresceinおよび主幹静脈血管壁のfluoresceinによるstainingも見られる。全身的には異常所見は認められなかった。ただちにステロイド治療を開始したが症状は悪化の一途をたどり(図3・図4),初診から5カ月後には,視力は光覚(—)となり網膜剥離を来たし,さらに著しい硝子体混濁のために眼底は透見不能となった。初診から6カ月目に眼圧が上昇し,絶対緑内障に陥り,やむなく眼球摘出を施行した。
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