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緒 言
ベーチェット病をはじめとする炎症性疾患におけるkinin系の動態は,その炎症症状が増悪している時期を頂点として,kallikreinにおいては,やや低値を示し,bradykinin活性は増強する。一方,kininaseはhypopyonなどの炎症極期には,極めて活性低下の著しいものが多い事実をすでに著者らは報告した1)。生体中でのこういつたautacoid2),特に,kinin, kininaseの関係はそのpHにより非常に大きな影響をうけるであろうことは想像に難くない。すなわち,bradykininをはじめとするplasmakininはpHが酸性であればあるほど,安定であり,容易に活性化される。逆にアルカリの状態ではkininaseが安定で活性化され,pH 6.5附近ではkininase活性はほとんど100%失活してしまう事実がある。こういつたことから,今回,著者らは,生体中,特に血液pHの影響をkinin systemが,どの様に受けるかを検討すべく,ウサギを使用して基礎実験を行ない,更にこれをうらづけるべく,ベーチェット病をはじめとするブドウ膜炎の患者における血液pHとKinin systemの関係を検討し,興味ある事実を得たので報告する。
Present authers made a study of relationship of Kinin system and blood pH in Behçet's disease. The following results were obtained.
1) Plasma kinin activity was affected delic-ately with changes of blood pH, that is, was more activated when pH trended to acidosis
2) Kininase activity was not so affected with pH in blood
3) Several cases of Behçet's disease whose con-dition deteriorated inflammatorly showed acid-osis compare with other remission cases.
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