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緑内障が網膜中心静脈の閉塞後に屡々起ることに就ては従来よく知られるところであるが,網膜中心動脈の閉塞後にも起るものであつて,これが如何にして起るかに就てはいろいうと意見がある。Duke-Elder (1940)は網膜中心動脈塞栓症の合併症として続発性緑内障が稀にある。このある例では前房隅角部の炎症とneovascular changesがあつたが,他のものではco-existent venousthrombosisによるものであつたと述べている。又Sommer (1949)は中心動脈塞栓後の緑内障は前房隅角の変化によるもので恐らく中心静脈血栓のときと同じ様な原因が働いて続発緑内障を惹起するものであろうと記し,Benton (1953)は病理学的所見から中心動脈閉塞後の緑内障は続発性緑内障に属すべきもので,原発性緑内障の偶然の合併ではないと述べている。最近Zimmerman他(1959)は中心動脈閉塞後に起つた緑内障6例を臨床的病理学的に検索して中心動脈閉塞後の緑内障はあきらかに中心静脈血栓後の緑内障と異つたclinicopathological entityであると記載している。
私共は中心動脈塞栓症に続発したと思われた緑内障を2例経験したのでここにその経過を記載してこの問題に就て考えてみたいと思う。
Two cases of glaucoma, which followed occlusion of the central retinal artery and had symptoms which coincided with the clinicopathological entity of Zimmerman, were repor-ted.
Case 1. A man aged 59, with hypertension, had congestive glaucoma with the symptom of anterior segment in haemorrhagic glaucoma which arose a year after the onset of occlusion of the central retinal artery in the right eye. After posterior scleral trephine, the fundus became to be visible, and no haemorrhage was observed ophthalmoscopically.
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