特集 眼科治療薬マニュアル—私の処方箋
疾患別薬剤投与プロトコール
緑内障および続発緑内障—プロスタグランディンを中心に
三嶋 弘
1
1広島大学医学部眼科学教室
pp.139-141
発行日 1992年10月30日
Published Date 1992/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410901367
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薬物療法の現状と展望
緑内障および続発緑内障は,その病型や原因がさまざまで,疾患別薬剤投与プロトコールを明確にするのは大変困難である。現在,緑内障の病型,原因と病状の程度に応じて,β—プロッカー,交感神経作動薬,副交感神経作動薬,炭酸脱水酵素阻害剤がひんぱんに使用されている。
これらに加えて,プロスタグランディン(PG)が緑内障の治療薬として登場するのも間もない。PGはホルモンや神経伝達物質と同様に我々の生体内に存在する生理活性物質である。ホルモンが長時間作用し,神経伝達物質が非常に短時間作用するのに比べて,局所ホルモン,オータコイドはこれらの中間作用をする。PGはこのオータコイドの中のひとつである。交感神経作動薬,副交感神経作動薬などに加えて,生理活性物質であるPGを緑内障治療に用いるのは非常に合理的である。
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