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特集 故佐藤勉教授追悼号
屈折
角膜の非球面性を考慮したPhacometryの計算法に就いて,他
Method of computation of phacometry, thickness and asphericity of the cornea being taken into consideration
中島 章
1
,
吉本 光久
1
,
西 咲子
1
Akira Nakajima
1
1順天堂大学眼科
1Dep't of. Ophthalmology School of Medicine. Juntendo Univ.
pp.1641-1660
発行日 1960年11月15日
Published Date 1960/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410207068
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近視は眼科に於ける大きな研究課題の一つであつて,特に幾何光学の発達初期の1800年後半から1900年初めにかけて,多くの研究がなされた。そしてその時を中心として,殆どすべての学説は誰かによつて考えられてしまつて居り,その時以後に残された問題はその内のどれが本当かを如何にして具体的に証明するかと云う事であつた様に見える。(A de.H.Prangen1939, F.C.Stansbury 1948)
一方眼屈折の問題は,屈折異常そのものの意義からすれば,単に眼鏡あるいはコンタクトレンズを合わせると云う丈の問題にすぎず,屈折異常に伴つて起る種々の合併症は,合併症そのものの問題であつて屈折とは直接的に研究問題として結び付いて来ないかの印象を受けやすい。この事が今世紀に入つて近視問題が,日本以外の諸国で眼科医の興味をひかなくなつてしまつた大きな原因であつたと思われる。実際,戦前から今日迄,屈折の問題はOptometristの問題として,眼科医はこれを避げて居たかに見える。Optornetristと云う制度のない日本でも,一部の限られた人々のみが,研究に従事し,大多数の眼科医は,これを自分の仕事と直接関係のない,云わば興味ある話題としてこの研究乃至論争を見守つて来たと云うのが正直な所ではなかろうか。
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