談話室
ライトコアギュレーションについて
中泉 行信
1
1日本医科大学眼科
pp.805-806
発行日 1960年3月15日
Published Date 1960/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410206934
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昨年ベルギーのブラッセルでひらかれた国際眼科学会の後,アメリカにおいてはにわかにライトコアギュレーションが議論され研究され,そして実用に供されるようになつた。特に今年はじめライトコアギュレーターの創案者であるボン大学のマイヤーシュイツケラート教授がライトコアギュレータについて説明をしにアメリカを訪れて以来盛んになつて来た。私はマイヤーシュイツケラート教授が講演の途中たまたまサンフランシスコに立ち寄つた時にその説明をきいたのであるが,16mmのフィルムに35mmのスライドを併用しての約2時間にわたるものであつた。サンフランシスコ近辺の眼科医がスタンフォード大学の講堂を一杯にうめる程の盛聴ぶりで,その熱心な質問討論は夜9時すぎまでもつづいた程であつた。そしてマイヤーシュイツケラート教授がアメリカを発つてすぐに,スタンフォード大学のプッシェル教授はライトコアギュレーターを一台彼のポケットマネーで買つた程である。プッシェル教授はアメリカに於いて網膜剥離の大家として知られて居る人である。とにかく1台1万ドル以上もするような器械であるからおいそれと買うわけにはいかないが,今年5月現在アメリカでは15台も買われたという事である。私が居たカルフォルニア大学にも5月にやつと到着し,直ちに使用されはじめた。
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