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I.緒言
最近のテレビジョンの普及には目覚しいものがあり,NHKの調査によれば,本年10月10日現在で,テレビ受信機は全国で302万台に達し,全国の約17%の家庭がテレビ受像機を所有しているという。このテレビ視聴者の急激な増加を考えるとき,テレビ視聴が視器に如何なる影響を与えるかという問題は,極めて重要な問題と言わねばならない。この問題に関しては,現在迄,萩野,鈴村,安藤,森下氏等のパターン・ジェネレイターを用いてのテレビジョン・パターンの見え方に関する研究1)2),実際の放送番組を用いての実験3)4)等があり,他にGriffithの学童調査5),大橋6),大塚7)蒲山8)9),氏等の論説が見られる。吾々は日本放送協会放送文化研究所より,テレビ視聴の際の視器の疲労に就いての調査の委嘱をうけ,種々の実験をすすめているが,その研究成績の一部をここに報告する。
偖,視作業に際して視器に疲労を来すことには,他の諸種の器官と同様,異論はないであろうが,疲労の本態,或はその概念の規定といつた問題になると,不明の箇所も多く,又種々と議論の多いところである。吾々は一応,現象として把握し得る機能の低下乃至は変動を疲労とするという見地より,実験をすすめることにする。
In order to investigate the influences of television viewing on the visual function, vis-ual acuity, flicker fusion frequency, accommodation time, and accommodation near pointwere examined in 7 volunteers of junior high school boys by the use of 17-inch receiver.
The fluctuations in visual acuity and flicker fusion frequency were minimal and were not associated with television viewing. The prolongation of accommodation time and near point was the smallest under environment illumination of 25 lx compaired with those under daylight 300lx, 200lx, and dark-room.
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