研究・調査・報告
テレビ分娩を試みて—第1報 産婦の反響
松尾 敏子
1
,
橋本 光子
1
,
日沖 ますみ
1
,
平野 恵美子
1
,
野島 八千代
1
,
松尾 美奈子
1
,
西田 悦子
1
,
国府 寿子
1
,
溝口 富士
1
,
田川 由美
1
,
伊藤 文子
1
,
小笠原 聖子
1
1市立四日市病院周産期管理部
pp.212-214,220
発行日 1983年3月25日
Published Date 1983/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611206196
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はじめに
周産期医学の発展とともに,分娩管理はめざましく進歩してきたといえるが,同時に産婦の立場を十分考慮した「自然分娩」に対する関心が高まっていることは,興味のふかいところである。しかし,一口に自然分娩を指向するといっても,そのなかには種々の考え方が入り混っていることも明らかである。まったく人工の手を加えないというものから,産婦の希望を少しでも取り入れようという考え方まで,幅広い「自然分娩」に対する取りくみ方がある。
当院では,分娩時に視聴覚機器を取り入れた,「テレビ分娩」と名づける分娩方式を試みている。それは,出産時の状況をすべてカメラでとらえ,その画像を見ながら出産するというもので,視聴覚的方法を通じ産婦自身が分娩時の状態と経過を知ることにより,従来の分娩様式より更に助産婦との対話を深め,産婦の不安と緊張をやわらげ,少しでも人間的な雰囲気のなかで,分娩を遂行することを目的としている。
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