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緒言
従来限底の動脈硬化は一つの老化現象であつて硬化の程度は年齢と共に高度となるものと一般に考えられていた。併し近来2,3の学者特にScheie氏(1953)等は,網膜の動脈は大部分細動脈であり,この部の硬化は内膜性アテローム硬化と細動脈硬化の2つの形態をとるが,検眼鏡で容易に観察し得るのは後者即ち細動脈硬化であることを記し且つこれが高血圧に随伴し又高血圧の結果として現われるものと信ぜられることを述べた。又緒方氏(1956)に拠れば,細動脈硬化は老年病変化であつて老年性変化ではなく,血管軟化の素地の下に滑平筋の異常収縮により増進せられ高血圧と密に関連した病変であると解せられる。斯くして眼底を検すればその患者の持続性血圧上昇の有無と高血圧持続期間を,細動脈硬化の程度にもとずいて,かなり正確に(少くとも患者の記憶にもとずく不確実な自供によるよりは正確に)判定し得るとの見解が生れるのである。
併しながら,このような見解が妥当であるか否かは未だ臨床的に充分に検討せられたわけではない。
The authors innestigated 557 patients of the retinal arteriolar sclerosis (hypertension : 285, normal : 239, hypotension : 33) at varions ages, and got the following results.
(1) The retinal arteriolar sclerosis at the middle age and the remarkable one at the advanced age show hypertension and one makes no mistake in saying that there is no hypotension in these cases.
(2) The relation between the findings of sclerosis and the age or the blood presure.
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