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緒言
Prednisoloneが各種の炎症性眼疾患に有効であることは,既に多くの実験的,臨床的研究によつて実証されており,現在のところ各種ステロイドホルモン製剤中副作用を伴わずして,かつ最も強力な作用を有するものの一つであることも周知の事実である。現在迄の臨床的報告は多く内服による著効を述べており,我々も他の諸種抗炎療法で治効の見られなかつた各種炎症性眼疾患に驚異的な効果を示し,しかも全身的に副作用の極めて少い製剤である事を多くの自験例によつて認めて来た。しかし大量或いは長期使用に際しては副作用皆無とは云い難く,長期投与例においては副賢皮質機能低下も当然問題となつてくる。特に全身的に本剤の使用を本質的に禁忌とする疾患,例えば糖尿病腎炎等が存する場合,同時に存在する眼疾患に対して本剤を内服せしめることはやはり避けるべきであろうし,又経済的理由からも全身的投与が困難な場合にも少からず遭遇する。局所使用ではこのような欠点は殆んど問題とならない。このような見地から本教室の浅山,永田等は,先にPrednisolone (塩野義製薬Predonine)の点眼及び眼軟骨の臨床的応用について臨眼誌上に発表したが,その適応は前眼部疾患に限られた。したがめて適当な製剤があれば,結膜下並びに球後注射が適応範囲も広く,最も有効,かつ経済的な使用法と考えられる。
Subconjunctival and retrobulbar injections of Predonine in suspension of 0.5% concentra-tion were employed in various inflammatory conditions of the eye.
The marked antiphlogistic effects were obtained in phlyctaenular conjunctivitis, vernal conjunctivitis, optic neuritis, iridocyclitis, uveitis, central retinochoroiditis, and postopera-tive iridocyclitis without any undesirable side effects.
Subconjunctival and retrobulbar injection of this drug proved effective in the cases, where the topical treatment had failed or the systemic use was impossible owing to certain rea-sons.
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