Japanese
English
臨床実験
網膜腺病性苔癬の1例
A Case of Lichen Scrophulosorum retinae
小林 守治
1
,
菅原 脩二
1
Moriharu Kobayashi
1
,
Shuji Sugawara
1
1東北大学眼料
1Department of Ophthalmology, Faculty of Medicine, Tohoku University.
pp.1665-1668
発行日 1958年12月15日
Published Date 1958/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410206520
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緒言
腺病性苔癬は皮膚科領域に於て,胸腹部,腰部,四肢,顔面などの皮膚に生ずることは周知のことであり,眼科領域でも眼瞼又は結膜に生ずることが知られているが,1920年Axenfeldが,網膜静脈周囲炎の眼底に数週間で速かに消失する白色小結節を発見し,これを結核疹Tuberculideとして発表して以来,わが国に於ても同様の変化の記載が散見される。然し,腺病性苔癬として発表されているものはごく少数であるのみならず,その眼底所見が不詳のものも少なくない。且つ,結核性網膜炎の際に多発することがあると云われる小白斑との異同についても,文献上かなりの混同があるようにも見うけられる。
最近吾々は網膜腺病性苔癬と思われる1例を経験し,その美麗なる眼底所見に加えて,甚だ興味ある経過を観察する機会を得たので,茲に報告する次第である。
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