Japanese
English
臨床実験
嚢腫ある視束交叉部附近の腫瘍の眼症状
The Eye-Manifestation of Cystic Tumour Near the Chiasma Opticum
小原 博亨
1
,
大橋 克雄
1
,
赤塚 俊一
1
,
阿久津 澄義
2
Hiroyoshi Ohara
1
,
Katsuo Ohashi
1
,
Snunichi Akatsuka
1
,
Sumiyoshi Akutsu
2
1名古屋鉄道病院眼科
2名古屋大学眼科
1Eye Clinic of Nagoya Railway Hospital.
2Dept. of Ophth. School of Medicine, Nagoya University.
pp.1595-1600
発行日 1958年11月15日
Published Date 1958/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410206505
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I.緒言
最近,脳外科の進歩に伴ない,亦,一般,社会人の医学に対する関心の高まりから,剖検の機会も多く成り,其等のためCraniopharyngiomaの症例の報告も多く成つて来た。最近,私共は27歳及び31歳の男子のCraniopharyngiomaの2例を経験したが,此の際,両例共に軸性視神経炎様症状を呈し,其の症状が弛張する,これは,本症は殆んどが嚢腫を伴なう腫瘍であるが,此の嚢腫が自然に破綻して内容が脱出して圧迫症状が軽く成つたためとも考えられる。亦,此のように,軸性視神経炎様症状が弛張する場合はCranioph-aryngiomaを疑う可きである事を教えられた。亦,Craniopharyingiomaの85%は石灰化を伴なうとされているが,本例の如く,成年の症例では,石灰化が無い場合が多いのではなかろうかと考えられるのであるが,此点は今迄,あまり注意されていなかつたが,診断上,注意する可き事と考えられるので敢えて報告する。
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