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緒言
糖尿病の合併症は感染症と血管障碍に2大別されるが,その中感染症は抗生剤の出現により近年減少しているという1)。糖尿病患者の寿命が延長するにつれ,中年以後に多い血管障碍の意義とその研究はますます重要性を加えて来ている。血管障碍を実際に観察し得るという点において,眼底血管検査は血管障碍を伴う諸種の疾患の診断と予後判定に,もはや不可欠のものとなつているが糖尿病においても全く同様である。然し血管障碍が全身循環系にわたつて発生するものである以上,眼底血管ばかりでなく眼球結膜血管にも何らかの変化が発見出来るのではあるまいかということが予想されるのは決して不思議ではない。それ故に多くの研究者達は詳細に眼球結膜血管の形態的変化を観察し糖尿病に特有な変化として毛細血管瘤が眼底血管のみならず,眼球結膜血管にも発生することを発表して来た。然しそのような球結膜毛細血管瘤の発生は糖尿病以外にも見出される所から意義はないとする者と,或は意義を見出さんとする者と相半ばしているが,このような意見の相違を来した理由は眼球結膜が絶えず外界に暴露しているために,外傷や炎症をこうむり易くその影響によつて生じた血管の局所変化を考慮に入れなかつたためではないかと思われる。
The bulbar conjunctival vessels were investigated by means of a slit lamp microscope as in the following items.
(1) 177 normal persons (2) 68 workers at furnaces (3) 182 diabetic patientsConclusion
(1) Multiple focal lesions of bulbar conjunctival vessels (for example, saccular, fusiform, irregular micro-aneurysms and hemorrhages) had been observed in the exposed portion be-tween limbus and canthus in the workers at furnaces. It is considered that they are under the influence of infra-red ray or high heat.
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