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緒言
人眼の周辺屈折力,非点収差に関する研究は歴史が深く,古くはYoung (1801)の理論計算値,Parent(1881),Feree, Rand and Hardy (1931)ら1,2,3)の実測値がある。本邦でも検影法論争の盛んなおりに石津4)(1920),畑(1942)5),広石・杉野(1960)6)等の周辺屈折についての報告があり,検影法の誤差の一つの原因として検討されている。これら諸家の報告を検討してみると周辺屈折力や非点収差は個人差がかなり大きいようである。しかし諸家の試みた周辺屈折力,非点収差の測定法およびその結果には疑問が残されている。たとえばFereeらはparallax refractometerを用いて測定しているが,その結果には今日では同意できないものがある。また石津,畑,広石・杉野らはスキアスコピーを行つているが周辺スキアスコピーの場合の中和点の影行の記載がないため,その結果が今日えられているものに類似していても疑問が残される。
近年になりRempt等(1971)7)により周辺スキアスコピーでみられるdouble sliding-door effectと呼ばれる影行を利用して周辺屈折力を測る方法が発表されている。私どももこの方法を用いて周辺屈折力と非点収差を測定したので測定法と実測値について述べる。
We measured the peripheral refraction along the horizontal meridian up to 60 degrees from the optical axis in 6 eyes by means of perip-heral skiascopy. The double sliding-door was adopted as the neutralizing point.
Four types of peripheral refraction were ob-served, namely parabola-, x-, parallel- and as-ymmetry-types. Invariably, the astigmatism increased towards the periphery. The vertical refraction tended to hyperopism towards the periphery. The findings were symmetrical in both, nasal and temporal, hemispheres. The right and left eyes also showed symmetrical features.
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