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緒言
螢光眼底検査で中心性網脈絡膜炎に,1個ないし数個の螢光漏出点が認められることはすでに良く知られているところである。しかし,この螢光漏出を認められない例もごくわずかであるが存在する。螢光漏出点の発見は,中心性網脈絡膜炎,増田型の診断には非常に重要な決め手であるばかりでなく,この螢光漏出点を光凝固することにより高い治癒率を,しかも短期間に達成できるようになつた。しかし漏出点のわからない例は,その光凝固をする目標がないために,薬物療法を行なうか,あるいは特にあやしい点,たとえば検眼鏡的に色素の異常を認める所とか,螢光眼底検査で螢光のはつきりした漏出点は認められないが,なんとなくむらむらした異常螢光像を認める所を目標としたり,網膜浮腫内で乳頭よりでない部位を光凝固したりしているのが現状である。しかし,このようにして光凝固した例では再発例が多いこと,治癒がながびくこと等があり,はたしてこれらのあやしい点が本当の漏出点であつたのか疑わしいものである。今回,このような螢光漏出点がはつきりしない例の漏出点をはつきりさせるべく一つの試みとして,水1000ml飲んで飲水負荷を行ない,その後30分から1時間たつて再び螢光眼底検査を行ない,少ない例であるが,最初の螢光眼底検査ではつきりしなかつた場所に明瞭に漏出点を認め,この点を光凝固することにより治癒した。
Out of 98 cases of central serous retinopathy during the foregoing 12-month period, no lea-kage of fluorescein could be detected by routine fluorescein angiography in 3 cases. Fluorescein angiography was conducted again 30 to 60 mi-nutes after ingestion of 1 liter of tap water. Distinct leakage of fluorescein became apparent in two out of the three thus treated cases and they could be successfully brought to cure by laser photocoagulation of the pathological areas detected by fluorescein.
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