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緒言
検眼鏡には多くの種類があり,それぞれに特徴を有しているが,現在最も広く使用されているのは直像式小型検眼鏡であろう。この直像鏡は,小型プリズムで瞳孔の下半部から照明し,上半部からレコスレンズ盤で観察するというきわめて簡単な光学系でありながら,全体が小型で正常瞳孔で鮮明に眼底を正立像として観察することができ,臨床上欠くことができない診断器具のひとつである1)。しかし一方に視野が狭いこと(12°前後),患眼の屈折異常による像の大きさの変化が著しいことと,特に強度の屈折異常,たとえば高度近視では像が拡大し乳頭またはその一部しかみられない(相対的な視野の狭小)という欠点も生ずる。この狭い視野を補うために,直像鏡による眼底の観察法は,いわゆる組立て法であつて,眺めまわして頭の中で所見をまとめるわけであるが,時に見落とす危険も多い。また最近では眼底病の精密な診断には,写真撮影を含めて散瞳する場合が多くこの場合には正常瞳孔による観察という直像鏡の最大の利点が失われるのみでなく,射出瞳の拡大のために鮮明度が低下する恐れがある。
さてこれらの直像鏡の欠点を補い,特に観察視野を広げることにより,眼底所見の位置的関係を明確にすることは,病変の正確な診断のために非常に有益なことである。この目的で現在市販されている検眼鏡は,たとえば,ナイツC型検眼鏡,およびA.O.monocular ophthalmoscopeがある2)。
Utilizing the optics of hand fundus camera, a wide angle direct ophthalmoscope (30° view-ing angle) was built and clinical trial has been performed. This monocular portable ophthalmo-scope has 6 times as wide a field as regular direct ophthalmoscope (12° viewing angle), and it can eliminate corneal and lens reflexes. It was found that this ophthalmoscope had a capa-bility to review widely extended fundus lesions more easily and precisely.
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