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緒言
細隙灯顕微鏡は,最近では検眼鏡とならんで,眼科臨床では必須の光学器械と考えられるようになつた。しかしその臨床的意義は,検眼鏡のように,それによつて肉眼では見えない部分を見るというよりも,肉眼でも観察可能な部分を更に拡大して,文字通り生体における病理組織学として観察の精度を細胞レベル迄上げる点に,その本質と意義とがあると考えられる1)。最近では細隙灯顕微鏡の観察の対象としては,結角膜,前房虹彩,水晶体のみならず,隅角,硝子体,眼底,更に最近では網膜剥離の病因に関係して鋸歯状縁に近い眼底周辺部に迄及んでいる2)3)。また,この器械は眼圧や角膜,前房,水晶体の厚さ等の計測にも用いられている4)。その所見を記録するための細隙灯顕微鏡撮影法については,多くの発表があり5)〜9),2,3の専門機器も市販されている。
著者らは数年来,Haagstreit 900型細隙灯顕微鏡による所見の撮影記録の方法について検討して学会報告を行なつてきた10)。ここではこれらの経験を総括して,2,3の基礎的問題に検討を加えた結果につき報告する。
The aim of slitlamp photography is to link clinical observation with histopathology. Com-mercially available photoslitlamp has the magni-fication of up to 3x with the resolving power of 10 micra or a little less. The resolving po-wer of the slitlamp microscope is at most 3.6 micra, and that of colour film, 10 to 20 micra. To achive the resolving power of 2 to 3 micra which is the size of rods and cones, optical system with better resolving power with high-er magnification is necessary.
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