両眼性同心性視野狭穿様症状を伴つた低視力小児の多数例の観察（第1報）

Mass Occurrence of Low-Vision Infants with Bilateral Visual Field Contraction (Report I)

緒言

　最近我々が外来患者をみていると，視力低下以外に何の訴えもないにもかかわらず，周辺視野狭窄を有し，しかもERGは正常である小児が多くみられるのに気付いていた。またその時石川哲氏^1）〜3）の農薬中毒による眼障害の発表もあり，それと類似点がある様にも思え，またその数がかなりありそうなので一応調査をする気になつたのである。そして検査が進むにつれ，暗順応が軽度ではあるが犯されている事実などが出てきて，これは従来見られなかつた一連の症候群であるとの確信を持つに至つたので，ここにそのあらましを報告し，我々が調査し得た範囲でその成因について推測を加えて見る事にした。

Through srcreening procedure of visual field anomalies in 300 subjects of ages between 4 to 15 years, 34 subjecs (11.3%) showed contrac-tion of visual field of less than 130 degrees along the horizontal meridian. Twenty subjects (6.6%) showed markedly pathological contrac-tion of within 100 degrees.