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特集 緑内障
房水の産生と流出について—トノグラフィーの問題点
Inflow and Outflow of the Aqueous Humor:Problems of Tonography
三島 済一
1
Saiichi Mishima
1
1東京大学医学部眼科学教室
1Department of Ophthalmology, University of Tokyo, Faculty of Medicine
pp.1457-1470
発行日 1970年12月15日
Published Date 1970/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410204414
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I.はじめに
眼房水の産生と流出,眼圧に関する生理とその病態は,純粋に生理学的な立場からも,また緑内障の病態を理解するという立場からも,多くの人の興味をひき,その研究発表はぼう大な数にのぼる。1930年代の後半から1950年までの10年あまりの間に,房水の産生量,眼圧,房水の排出経路とその機構などに関する定量的な研究が成功し,これらの生理がかなり理解されるようになつた。眼圧が房水産生と流出のバランスによる動的平衡の結果であるとする考えが,数式化されて定量的な表現となり,これにつれて房水の1分間あたりの産生量,その流出抵抗,またはoutflow facility,Ocular Rigidity Coefficientなど,いくつかの基本的概念が導入された。このような時代の背景のうちに,眼圧計製作上の技術的進歩と相まつて,われわれのもつTonographyなる臨床的技術を生み出し,眼圧,房水産生に関する研究が現代に入る。
その後Tonographyの基本的問題に対する反省も含めて,房水の産生と流出に関する研究が盛んになり,新しい概念や技術も導入され,われわれの知識は豊富になるとともに複雑になつた。
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