銀海余滴
わたしの工夫
戸塚 清
1
1関東逓信病院眼科
pp.1105
発行日 1969年9月15日
Published Date 1969/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410204146
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眼球突出の測定
眼球突出はふつうヘルテル氏の眼球突出計ではかる。患者の,両側の,眼窩外縁の一番凹んだところを触って,ヘルテル氏突出計のスライドする部分を,ちようどうまく適合するように滑らせて按配し,ここに当てがつて保持し,軽く押しつけるようにしてから,正面から鏡に写る目盛りを読むのである。
しかし突出計の,骨に当たるアーチ型の,丸く凹んだ部分と,眼窩外縁の骨の凸のカーブとがはたして完全に一致しているかどうか,あまり自信のない場合も日常かなり経験する。もし両方のカーブが一致していないと,1mmぐらいの誤差はすぐ生じてくることになる。また眼窩外縁といつても,皮膚のすぐ下に骨があるわけではなく,場合によつては多少の皮下細織も存在し得る。したがつて突出計のこの部分への押しつけ方の強弱も,すぐ1mmや2mmの誤差を生じる原因になり,なかなか正確な値を得ることができない。やさしいようでいて本当はむずかしいことを痛感している。
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